「30年替えなくていい」という選択の先に、私たちが守りたいもの。
2026.3.23 / その他
「約30年の耐久性を持つ独自の合繊しめ縄」
……本当に、それで幸せになれるのだろうか。
作り手としての葛藤と、たどり着いた「答え」をここに記します。
「神様はその一手間をお喜びになる。」
富山県射水市、しめ縄専門店「縄合屋(なわわせや)」の折橋由紀です。
合成繊維でしめ縄を作っている私が、最近思うことがあります。
効率や便利さが優先される現代。
「このしめ縄は、30年、替えなくていい」という選択は、
管理する私たちには都合が良いかもしれません。
けれど、神道の心は「常若(とこわか)」です。
常に若々しく瑞々しい状態を保つことで、
神様の力が更新されるという教え。
新しく受ける御神札(おふだ)に、
瑞々しい生命力が宿ると同じように、
しめ縄もまた、その場所を清浄に保つための
大切な役割を担っています。
その状態を保とうとする「人の手」の中にこそ、
神様への崇敬と感謝の心は宿ると、縄合屋は信じています。
30年、景色の一部として馴染んでしまうよりも、
1年に一度、汚れを落とし、清々しい気持ちで新年を迎えること。
10年に一度、地域が神様を想い、絆を結び直すこと。
この黄金のような清らかな色が、綺麗なうちに。
また新たな10年という歳月を、最高のおもてなしで。
「手間をかける」という、一番の供物を。
縄合屋は、ただの縄ではなく、
地域の「崇敬と感謝の心」を綯い続けていきたい。
「神様はその一手間をお喜びになる。」
そう信じて、今日も丁寧に心を込めて。




